◆トピックス
2008年5月14日

消費者金融などから5件以上の借り入れがある多重債務者数が今年3月末時点で約117万7000人、前年比で3割を超す減少となったことが、13日に開いた政府の多重債務者対策本部有識者会議で金融庁が報告した。同庁は「上限金利引き下げを柱とする改正貸金業法の施行と相談体制の整備などが一定の効果につながった」とみている。 07年度に金融庁や都道府県などに寄せられた苦情・相談件数は6万5900件で、前年度比19.4%増。債務整理や取り立て行為、過剰貸付などの内容が多かった。一方、無担保無保証借り入れが1件以上ある人は約1126万4000人(前年同月比3.6%減)で、このうち延滞情報の登録がある人は約199万1000人と、1年前に比べて12.4%増えた。07年12月から施行された貸金業法の影響で消費者金融大手などが貸出金利の上限を引き下げているが、それに伴い融資審査を厳しくしている。延滞者の増加について、金融庁では「融資をしぼられて、自転車操業が利かなくなった人が延滞に陥っている」と推測している。 「上限金利引き下げがヤミ金融の利用者を増やすことにならないか」といった懸念が出ていたことに関しては、金融庁が都道府県警察による取り締まり強化で業者の検挙数が増加したことを報告。ただ「実際にヤミ金融の利用者が増えたかどうかの実態は把握できていない」(同庁)という。


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